2023.08.31お知らせ新商品
【Del repro-C】今注目されています。捨てるより再利用する選択
感染ゼロをめざして、感染症対策製品「delfino」を展開する株式会社デルフィーノケア(東京都目黒区/代表取締役 宮本貴司、以下「当社」)は、オフィスチェア全般の「クリーニング+抗菌」サービスを実施いたします。 Del repro-Cとは Del repro-Cは、オフィスチェア全般の椅子をDFC(ドライフォームクリーニング)施工を行った後にデルフィーノの抗菌コーティングを付加し、見た目も綺麗に、安心・安全にご使用していただける椅子を実現いたします。 ■SDGsの実現 ■ドライフォームクリーニング 大量の空気を含んだ細かい泡の力で浮かした汚れを泡に包み込み洗浄する工法です。ドライフォームは水分含有量7%の泡を使用し、洗浄後の椅子は半日程度で乾燥し翌日には使用可能(気温、湿度により乾燥時間は異なります)となるのも一つの特徴です。 ■クリーニング例 ■クリーニングの手順 ■料金
2023.04.21CSR
MBT難病克服キャンペーン協賛のお知らせ
感染ゼロをめざして、感染症対策製品「delfino」を展開する株式会社デルフィーノケア(東京都目黒区/代表取締役 宮本貴司、以下「当社」)は、一般社団法人MBTコンソーシアム(奈良県橿原市/理事長 細井裕司、以下「MBTコンソーシアム」)の推進している「MBT難病克服キャンペーン」に協賛しました。 MBT難病克服キャンペーンとは MBT(Medicine-Based Town, 医学を基礎とするまちづくり)は、「住居医学」と「MBE」の体系の統合であり、超高齢社会に対応したまちづくりを行と共に、新産業創生と、地方創生を行うことを目的としています。一般社団法人MBTコンソーシアムは、難病に関わる研究者や、難病に携わる人々や組織を支援する「MBT難病克服支援キャンペーン」を推進しています。 ■ 協賛の背景 当社では設立以来、社会貢献事業の一環として、2011年の東日本大震災での衛生環境整備支援や、障害児保育園への「施設まるごと抗菌」の提供、小学校での手洗い教室の実施などを国内各所で行なってきました。今回、MBTコンソーシアムによる難病支援事業に賛同し、協賛させていただくことになりました。 デルフィーノケアの事業について 当社は、「感染ゼロ」をめざし、安心・安全・長期間持続の抗ウイルス・抗菌対策製品「delfino(デルフィーノ)」を主力製品として、20年以上にわたって事業展開しております。「delfino」は、安心・安全な感染症防御策のひとつとして法医学の医療現場で生まれました。手洗い・マスク、三密の回避などの感染症対策は重要ですが、個人の良識・道徳観に依存するため万全な対策とは言えません。しかし、空間内のあらゆる部位を抗菌コーティングする「delfino」なら、より高いレベルで安心・安全な環境を実現することができます。 ■組織概要:一般社団法人MBTコンソーシアム組織名:一般社団法人MBTコンソーシアム代表者:理事長 細井裕司所在地:奈良県橿原市四条町840番地 ■会社概要:株式会社デルフィーノケア商 号:株式会社デルフィーノケア代表者:代表取締役 宮本 貴司所在地:東京都目黒区中目黒2-6-24-1F 今後ともご愛顧いただけますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2023.03.24CSR
南紀白浜空港内にてMA-T™マウスウォッシュの無料配布を実施
株式会社デルフィーノケア(東京都目黒区、代表取締役:宮本貴司。以下「当社」)は、2023年3月27日から31日までの期間、和歌山の空の玄関口である南紀白浜空港内にて、紀南に来訪される皆様が安心・安全にご当地で過ごしていただく取組の一環として、「MA-T™マウスウォッシュ」の無料配布を実施いたします。 南紀白浜エアポートおよび当社は、2020年6月より、誰もが安心・安全に和歌山県を訪れ、心豊かに過ごせる地域づくりの施策のひとつとして「和歌山まるごと抗ウイルス大作戦*」を掲げ、これまで和歌山県内観光施設や生活施設など約50施設の衛生環境づくりに取り組んでまいりました。その取り組みの一環として、2023年3月27から31日までの期間、南紀白浜空港内にて当社が会員となっている「一般社団法人日本MA-T™工業会**」の協力のもと「MA-T™マウスウォッシュ(ポーションタイプ)」の無料配布提供を実施いたします。今回のイベントに関わる空港スタッフもMA-T™マウスウォッシュを使用して感染対策に取り組んでいます。* 和歌山まるごと抗ウイルス大作戦 2020年6月より感染症の予防対策が中長期で求められる新しい日常に向けて、地域全体の安全・安心を守り、地域住民や地元事業者が安心して日常生活や事業活動の継続ができ、また観光・ビジネスの旅行者にも安心して選ばれる持続可能な地域づくりを目指す地域連携プロジェクト。**一般社団法人日本MA-T工業会 日本で発明された酸化制御技術であるMA-T™(Matching transformation system)の価値向上と普及を目的とし、オープンイノベーションのプラットフォームとして、2020年11月に設立された団体(東京都千代田区、代表理事:川端克宜 [アース製薬株式会社 代表取締役社長])。会員企業は100社(2022年12月末現在)で、「感染制御」「医療・ライフサイエンス」「食品衛生」「農業・林業」「表面酸化」「エネルギー」の6つの分野で事業活動している。 ■MA-Tマウスウォッシュについて MA-T™認証マーク MA-T™は、必要な時に、必要な量の活性種(水性ラジカル)を生成させることで、流行性ウイルスをはじめとするウイルスの不活化、種々の菌(細菌)の除菌を可能にする注目の最新技術で、要時生成型亜塩素酸イオン水溶液と称します。特に口腔ケアは感染対策としての重要性が認識されており、MA-T™マウスウォッシュが活用されています。MA-T™を採用した製品(MA-T™認証マークの表記あり)は、プロ野球、Jリーグ、大相撲、劇団、オペラなどのスポーツやエンターテインメントをはじめ、大学病院、歯科医院、介護施設、保育園・幼稚園、自治体、ホテル、飲食店などで広く採用されています。 MA-T™マウスウォッシュ(ポーションタイプ)は、ノンアルコール、香料無添加、無味のため水感覚で使用できる刺激のない洗口液で、持ち運びに便利な口腔ケア製品です。ご年齢を問わず安心して使用することができます。 今後も感染ゼロを目指し、社会に還元する取り組みを継続してまいります。引き続きご愛顧いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
2023.03.03CSR
「施設まるごと抗菌・抗ウイルス」を通して誰もが安心・安全で心豊かに過ごせる場所の実現に向けて
株式会社南紀白浜エアポート(和歌山県西牟婁郡、代表取締役社長:岡田信一郎。以下「南紀白浜エアポート」)および株式会社デルフィーノケア(東京都目黒区、代表取締役:宮本貴司。以下「デルフィーノケア」)は、2023年1月30日、2月4日に和歌山の空の玄関口である南紀白浜空港の現ターミナルビルとこれから開業予定の新ターミナルビルに、「delfino施設まるごと抗菌・抗ウイルス」を実施いたしました。 南紀白浜エアポートおよびデルフィーノケアは、2020年6月より共同で、誰もが安心・安全に和歌山県を訪れ、心豊かに過ごせる地域づくりの施策のひとつとして「和歌山まるごと抗ウイルス大作戦*」を掲げ、これまで和歌山県内の宿泊・交通・飲食・テーマパークなどの観光施設から学校・福祉・銀行・オフィスなどの生活施設まで約50施設の衛生環境づくりに取り組んでまいりました。その取組みの一環として、2023年1月30日、2月4日に和歌山の空の玄関口である南紀白浜空港の現ターミナルビルとこれから開業予定の新ターミナルビルに、「delfino施設まるごと抗菌・抗ウイルス」を実施いたしました。地域の空の玄関口である南紀白浜空港の衛生環境がさらに向上したことにより、日頃から観光・ビジネスで和歌山を訪れる方々や、空港を使って県外へ出られる地域住民の方々など、空港を利用される皆さまが安心・安全に旅行や滞在をしていただける地域づくりを通じて地域の活性化に取り組んでまいります。 なお、こちらの南紀白浜空港の抗菌・抗ウイルス施工の様子は、テレビ朝日系テレビ番組「朝メシまで。」(関東地域では、3月4日(土)24時30分放映)にて放映されました。 * 和歌山まるごと抗ウイルス大作戦2020年6月より感染症の予防対策が中長期で求められる新しい日常に向けて、地域全体の安全・安心を守り、地域住民や地元事業者が安心して日常生活や事業活動の継続ができ、また観光・ビジネスの旅行者にも安心して選ばれる持続可能な地域づくりを目指す地域連携プロジェクト。 「delfino施設まるごと抗菌・抗ウイルス」採用の背景 首都圏とつながる空の玄関口である南紀白浜空港では、空港利用者の皆様にさらに安心して施設をご利用いただけるように、これまでの空港職員のマスク着用やアルコール消毒液の設置、空港利用者の三密回避などの感染症予防対策を行ってまいりました。しかし、空港利用者への任意での協力依頼や空港職員による人海戦術での対策には限界があり、全てのお客様に対して「常時・強制的にリスク低減ができる感染症予防対策」を必要としていました。デルフィーノは施設全体をくまなく抗菌・抗ウイルスできるだけでなく、産学連携で医療現場でも採用されいる独自技術を活用し、第三者専門機関による複数の効果エビデンスも有しているため、最も信頼性の高いサービスであると考えて採用にいたりました。また、SIAA(抗菌製品技術協議会)の厳しい人体安全性基準をクリアしており、施設の防カビ・防臭等の衛生サービスの向上にも寄与するため、高い安全性とおもてなしの観点からも導入を決定しています。 株式会社南紀白浜エアポートについて 南紀白浜空港の民営化にともない、2018年に設立された民間資本100%の空港運営会社。「空港の発展は地域の発展から」をコンセプトに、誘客と地域活性化の専門部署を設けて、観光・インバウンドから企業誘致・ワーケーションまで幅広く地域課題解決型の事業を展開。和歌山県南部の12市町村を広域でマネジメント・マーケティングする観光庁認定「紀伊半島地域連携DMO」として、着地型旅行事業(紀伊トラベル)などを通じた持続可能で稼げる地域づくりを実践している。
2023.03.01お知らせ
衛生対策の総合窓口「まるっとサポート」導入事例 株式会社Fast Fitness Japan様
株式会社デルフィーノケア(東京都目黒区、代表取締役:宮本貴司、以下「当社」)は、世界約5,000店舗を展開する「ANYTIME FITNESS(エニタイムフィットネス) 」の日本におけるマスターフランチャイジーである株式会社Fast Fitness Japan(ファストフィットネスジャパン)様(東京都新宿区、代表取締役社長:土屋敦之、以下、「Fast Fitness Japan様」)に、当社のサブスクリプション・サービス「衛生対策の総合窓口 まるっとサポート」を採用いただきました。 Fast Fitness Japan様、およびエニタイムフィットネスについて Fast Fitness Japan様は、24時間年中無休・世界の店舗が利用可能なマシン特化型ジム「エニタイムフィットネス」の日本におけるマスターフランチャイジーです。米国発祥の「エニタイムフィットネス」は、世界30の国と地域で5,000店舗以上展開するフィットネスジム・フランチャイズ。24時間年中無休、マシンジム特化型、世界全店舗利用可能など多くの特長を備え、世界中の人々の健康増進に貢献しています。日本国内では、2010 年に東京都調布市に第一号店をオープン以来、多様な生活スタイルにフィットするジムとしてさまざまな地域に出店。2020年4月には全国47都道府県への出店を達成、2022年3月には1,000店舗を突破しました。 エニタイムフィットネス オフィシャルWebサイトデルフィーノケアの事業について 当社は、「感染ゼロ」をめざし、安心・安全・長期間持続の抗ウイルス・抗菌対策製品「delfino(デルフィーノ)」を主力製品として、20年以上に渡り事業展開しております。法医学の現場で、解剖などに従事される先生方の衛生環境向上のために開発された「delfino」は、光触媒(酸化チタン)、抗菌触媒(銀)、三元触媒(プラチナ)などの触媒を組み合わせることで、それぞれの触媒反応が持つ効果を相乗的に発揮させながら、それぞれの弱点を補うという発想の抗ウイルス・抗菌・防臭剤です。手洗い・マスク、三密の回避などの基本的な衛生対策は重要ですが、個人の良識・道徳観に依存するため万全な対策とは言えません。しかし、空間内のあらゆる部位を抗菌コーティングする「delfino」なら、より高いレベルで安心・安全な環境を実現することができます。 「衛生対策の総合窓口 まるっとサポート」とは 「まるっとサポート」は、安心して働いていただける環境づくりをサポートするサブスクリプション・サービスです。サービスの内容は、 ・消毒液スタンドの提供・手指消毒用アルコールの提供・デルフィーノ剤を使った抗菌コーティング施工の実施サポート ・衛生対策相談サービスの提供 などを備え、一般には分かりにくい衛生対策に関する「困った!」の解消をめざします。 「まるっとサポート」採用の背景について 今回、Fast Fitness Japan様に採用いただいた「まるっとサポート」の特長は、消毒液スタンド、手指消毒用アルコールの提供、デルフィーノ剤を使った抗菌コーティング施工の実施サポート に加えて、専用の相談窓口を設置するなど包括的に衛生対策のお悩み事に対応するソリューション・サービスです。Fast Fitness Japan様は、「ヘルシアプレイスをすべての人々へ!」を企業理念に掲げられています。日頃から「安全」「安心」「清潔」「快適」なエニタイムフィットネス事業を運営されていることから、当社サービスの網羅性に深く共感いただき、直営店169店舗のエニタイムフィットネスに採用いただくことになりました。「まるっとサポート」を導入いただいた店舗には、専用のシールをエントランス付近に掲示、抗菌コーティング施工を実施している様子のPR動画を店内で流すことでご来店の利用者様に向けて安心・安全の環境をPRしていただきます。 <導入店舗一覧(2023年3月1日時点)>■岩手県水沢店,盛岡菜園店,北上店■宮城県利府店,吉岡大和町店,石巻あけぼの店,フレスポ仙台東照宮店,あすと長町店,アクロスプラザ古川南店■山形県酒田店,鶴岡店,天童店■栃木県宇都宮江曽島店■群馬県前橋岩神店,前橋みなみモール店■埼玉県浦和ワシントンホテル店,中浦和店,越谷花田店,熊谷店,フォルテ上之店,上尾平塚店,西川口店,本庄早稲田店■千葉県浦安東野店,新習志野店,天台店,千葉桜木店,千葉高品店,船橋本町通り店,習志野台店,船橋日大前店■東京都南多摩店,稲城店,新小岩店,一之江店,京成小岩店,泉岳寺駅前店,赤坂店,西尾久店,国分寺店,国立店,恵比寿店,広尾高校前店,中井店,田無店,多摩センター店,平和島店,池上店,雑色水門通り店,久が原店,御嶽山店,日本橋本町店,新江古田店,多摩境店,国領店,西調布店,調布店,久米川駅前店,南大沢店,京王堀之内店,八王子店,南品川店,東府中店,三鷹店,茗荷谷店,錦糸町店,都立大学店,祐天寺店,江古田店■神奈川県伊勢原店,日吉店,みなとみらい店,岡津町店,川和町店,BRANCH茅ヶ崎店,コトニアガーデン新川崎店,京王稲田堤店,武蔵中原店,若葉台店,橋本駅前店,横濱山下町店■石川県金沢大桑店,野々市店■長野県長野北店■岐阜県イオンタウン各務原鵜沼店,岐阜河渡店■静岡県静岡呉服町店,藤枝小石川店,浜北中瀬店■愛知県新安城店,安城店,岡崎矢作店,イオンタウン岡崎美合店,江南店,春日井東野店,豊川蔵子店,豊川末広通店,豊田御幸本町店,豊田美里店,八事店,瑞穂通店,覚王山店,新栄町店■三重県伊勢みそのショッピングセンター店,四日市富田店,イオンタウン四日市泊店,イオンタウン津河芸店,名張店■滋賀県栗東店,イオンタウン湖南店,南草津野路店,大津堅田店,大津膳所店,店,長浜インター店,彦根店,米原店■大阪府貝塚二色浜店,吹田朝日が丘店,熊取店,あびこ店,西大橋店,長吉長原店,千里豊中店,店,豊中東店,店,阪急豊中駅前店■兵庫県垂水店,宝塚安倉店,中山寺店,明石魚住店,明石藤江店■奈良県奈良富雄店■鳥取県米子店■島根県出雲大塚店■山口県徳山病院店■愛媛県松山三番町通店,松山久米店■福岡県春日小倉店,福岡小郡店,大野城店,福重店,高砂店,渡辺通店,福岡赤坂店,天神大名店,横手店,高宮店,パセオ野間大池店,福岡空港店,中洲店,博多駅東店,博多駅南店,小倉金田店■長崎県長崎大村店,長崎大村北店,東長崎店,イオンタウン諫早西部台店■熊本県新大江店,有明プラザ店■大分県コスモタウン佐伯店,フレスポ中津北店■宮崎県都城店■鹿児島県姶良店,鹿屋店,宇宿店,与次郎店,出水店■沖縄県うるま石川店,イオンタウン読谷座喜味店,イオンタウン南城大里店
2023.11.28コラム
あなたのまわりにも!?
患者数増!インフルエンザ流行、感染ピークは年末に??
例年11月~12月ごろに流行が始まり、年が明けて1月からピークを迎える冬の感染症のイメージが強いインフルエンザ。 しかしながら、今年は9月から流行の拡大が始まり、厚生9月時点での労働省の発表(9/22発表)では、東京都を含む7つの自治体で注意報レベルに達しているとの発表がありました。東京都においては1999年の統計開始以来、最も早い9月21日にインフルエンザの注意報が出ています。 今回も、感染症・疫学の権威である防衛医科大学校の加來先生に監修いただき、季節性インフルエンザの特徴や注意点などを分かり易く整理しながら、インフルエンザの基礎情報をお届けしていきたいと思います。最後までお付き合いください。 インフルエンザを知ろうインフルエンザとは インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる「急性呼吸器感染症(急な発熱を伴う風邪のような症状が出る感染症)」で、インフルエンザウイルスが喉、気管支、肺で感染し、増殖することにより症状があらわれます。 インフルエンザはどうやってうつる?(感染経路) インフルエンザの感染経路は主に2つあります。 インフルエンザは、ウイルスが手に付着しただけで感染することはありません。ウイルスが付着した手で、口や鼻、目などの粘膜を触れることで感染します。 注1)「感染」とは、インフルエンザウイルスが標的となる細胞の中入ること。 注2)「発症(発病)」とは、なんらかの症状が出ること。 「感染」しても症状が出ないという場合もあります。これを「不顕性感染」といいます。 どんな症状がでるの?(主な症状) 突然の発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、次に咳、鼻みず、咽頭痛などの上気道症状が続き、約1週間でおさまります。 主な合併症として肺炎、脳症などがあります。 インフルエンザにかかったら インフルエンザウイルスは体内で感染後、増殖のスピードが速く、発熱(高熱)などの症状が急激に進みます。特にインフルエンザが流行している時期に発熱、咳、のどの痛み、倦怠感、頭痛、鼻みず・鼻づまりなどの症状が出たときは、早めに医療機関での受診を心掛けてください。 持病がある方、重症化の可能性が高いといわれる方々は、なるべく早めに医師に相談するようにしてください。 インフルエンザにかかった後の注意点<療養中>〔かかった人(本人)〕・安静にして休養をとる。・睡眠を十分にとる。・水分補給をしっかりとする。・周りに感染させないためにマスクを着用する。・人ごみなどへの外出を控える・学校や職場などは感染を拡大させる可能性があるため休むようにする。〔同居している方や看病をしている方〕・看護をしたあとは、手をこまめに洗う。・小さいお子さんが療養している場合は、大人がしっかりと見守るようにする。・持病がある方、妊娠している方は、可能な限りなるべく別の部屋で過ごす。<回復後> 熱が下がっても、インフルエンザの感染力は残っています。特に治療薬などにより急激な高熱が、すぐにすっと下がることがあります。完全に感染力がなくなる時期については個人差もあると言われていますが「体調は悪くないな」「もう治ったかな」「元気だし仕事に(学校に)行けるかな」と思っていても、まだまだ他の人に感染させるウイルスを体内に持っている可能性があります。 外出を控える日数などについては医師や医療機関にご相談ください。現在、学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」を出席停止期間と定めています。 インフルエンザにかからないために(予防/感染防止) 基本的な感染対策 みなさんが2020年からCOVID-19として、しっかりと行ってきた3密(密集、密閉、緊密)を避けること、基本的な感染対策(飛沫感染対策、エアロゾル感染対策、接触感染対策)は、インフルエンザ対策に対してももちろん有効です。 感染が大きく拡大している場合には、リスク(通勤電車の中、人込みの中など)に応じて適切なマスクの着用をお勧めします。 マスク着用には2つの意味があります。まずは、自らへの感染リスクを下げるためです。この場合のマスクの着用が効果的な場面としては、 ・発熱や席をしている人のケアを行う時 ・医療機関を受診する時、見舞いに行く時 ・高齢者など重症化リスクの高い方を訪問する時 ・インフルエンザの流行期に混雑した場所に行く時もう一つは、自分が感染した場合に周辺へのウイルス拡散を防ぐためです。この場合としては、 ・発熱、倦怠感などの症状がある場合 ・鼻水、咳などの症状がある場合(この場合のマスク着用は「咳エチケット」の一環です。)「咳エチケット」とは…・咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう。マスクを持っていない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。・鼻みず・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、 手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗いましょう。・咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。 予防接種 インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。高齢者の方はインフレンザのあとに細菌性の肺炎を合併される方が多いですが、そのためには「肺炎球菌ワクチン」が有効です。65歳の方には定期接種となっていますので、ぜひ、こちらも注意してください。 さいごに 新型コロナウイルスの流行以来、2021年、2022年は流行がありませんでしたが、今年(2023年)に入り季節性インフルエンザの流行がみられました。 3月には一旦収束に向かいましたが、4月以降も患者数が確認され、例年なら流行していない6月~8月という夏の時期にも患者数の確認が続き、そして、9月に新学期を迎える学校などを中心に、さらに流行が拡大し、現在の流行に至っています。 流行のピークの予想は難しいですが、年末から年始にかけてピークになるのではないかと言われています。年末年始は人の移動も多く、家族、親族、友人・知人など様々な人と会う機会も多くなります。そんな時期とピークが重なります。正しい知識と適切な対策をもって、楽しい年末年始を迎えられるよう今回「インフルエンザ」というテーマを取り上げました。 参照URL・厚生労働省 令和5年度インフルエンザQ&Ahttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2023.html・国立感染研究所 インフルエンザとはhttps://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html・一般社団法人日本感染症学会提言 2022-2023年シーズンのインフルエンザ対策について(一般の方々へ)https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=46・一般社団法人日本感染症学会ガイドライン2023/24シーズンにおけるインフルエンザワクチン等の接種に関する考え方chromeextension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/influenza_vaccine_230925.pdf・一般社団法人日本呼吸器学会 呼吸器の病気 インフルエンザ https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-02.html・厚生労働省 インフルエンザの基礎知識chromeextension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/file/dl/File01.pdf・日本医師会 インフルエンザ総合対策https://www.med.or.jp/doctor/kansen/influenza/005423.html
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2023.09.28コラム
感染者数過去最多。子どもの三大夏風邪のひとつ「プール熱」
夏になると子どもを中心に患者数が増える感染症が、「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」。"子どもの三大夏風邪"とも呼ばれ、各所で注意喚起されています。 そのうち今回取り上げるのは「プール熱」。感染力が強く、環境中でも感染力を保ったまま生存できる、私たちにとって厄介な存在です。2023年シーズンの感染者数は過去10年で最多、以下のグラフでもその多さが際立っていることが分かります。 咽頭結膜熱の定点あたりの感染者数の推移(NIID国立感染症研究所)画像クリックで拡大できます 今回も、感染症・疫学の権威である防衛医科大学校の加來先生に監修いただきながら、特徴や注意点などを分かり易く整理してお届けしていきたいと思います。最後までお付き合いください。 プール熱(咽頭結膜熱)とは プール熱は、アデノウイルス(Adenovirus: AdV)に感染することで引き起こされる感染症で、正式には「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」といいます。プールでの感染例が多いことから、日本では一般に「プール熱」と呼ばれています。 画像引用:アデノウイルスの模式図(大阪健康安全基盤研究所) プール熱を引き起こすアデノウイルスには複数の型がありますが、そのほとんどが自然治癒します。しかし、稀に肺炎などを引き起こし重症化するケースもあるため注意が必要です。プール熱にかかると免疫獲得しますが、あくまでも複数ある型のなかの特定の型についての免疫に過ぎません。別の型に感染した場合には、やはりプール熱にかかってしまうことになります。 アデノウイルスは高温多湿の環境を好むため、プール熱は特に6月頃から増えはじめ、7〜8月にピークをむかえます。しかし、1年中かかる可能性があり、最近では、秋~冬にかけても小流行が見られます。 主な感染経路は、飛沫感染と接触感染。アデノウイルスは非常に感染力が強く、上気道(口、鼻、喉)、目の結膜から体内に入り感染します。プールでの感染の原因は、消毒が不十分な水から結膜への直接侵入による感染と考えられています。 プール熱の症状 画像引用:咽頭結膜炎に気をつけよう(神奈川県衛生研究所) プール熱の潜伏期期(感染後、発症するまでの期間)は5~7日です。生後14日以内の新生児への感染は重症化しやすく全身の感染症になるため特に注意しなければなりません。主な症状は発熱、喉が腫れる咽頭炎、目が充血する結膜炎の3つです。 ・発 熱 … 38℃から40℃の高熱が3日から1週間程度続く・咽頭炎 … 喉の痛み(喉や扁桃腺が赤く腫れ、扁桃腺に白色の浸出物がみられる)・結膜炎 … 目が真っ赤に充血 結膜炎には、充血、痛み、かゆみ、目やに、まぶしく感じる、涙が止まらないなどの症状が挙げられます。一般に、まずは片方の目に症状が現れ、その後、反対側の目にも同様の症状が現れます。そのほか、吐き気、嘔吐、食欲低下、下痢などの症状は3~5日間ほど続くことがあります。 プール熱は、経過がよいことがほとんどですが、耳や鼻へのウイルスの侵入によって中耳炎や副鼻腔炎を起こしたり、まれに肺炎などを起こして重症化することもあるので軽視できません。 目の症状が重たい場合は眼科での受診、ぐったりしている、反応が鈍い、言動が意味不明、などの症状が現れた場合も医療機関で早めに受診するようにしましょう(眼に後遺症が残る事例は少ないです)。 プール熱の診断方法 プール熱の主な検査には、「迅速診断キット」を使った検査方法があります(症状・流行状況によって、問診により診断されるケースも)。 <迅速診断キット> 喉などを綿棒でこすって「咽頭ぬぐい液」を採取、アデノウイルスが含まれているかを調べます。結果がでるまで15~30分程度とカンタンな検査です。ただし、陽性の場合はアデノウイルスに間違いありませんが、感染による発熱から間もないタイミングなどには陰性になってしまう場合も。 プール熱の治療方法 残念ながら、プール熱にはワクチンや特効薬などがありません。高熱に対しては解熱剤、喉の痛みには抗炎症剤、目の症状には抗生剤やステロイドの点眼薬などの眼科治療、症状を和らげる対症療法となります。 高熱に加えて、喉の痛み・腫れから飲食が困難な場合がありますが、脱水症状にならないよう水分補給が大切です。飲みものは、麦茶、牛乳など刺激の少ないものを選びましょう。食べものも同様に、刺激が少なくのどごしの良いプリン、ゼリー、おじや(冷ましたもの)、お豆腐、冷製スープなどがオススメです。 プール熱の予防対策 主な治療薬のないプール熱は、予防が大切です。 アデノウイルスは、アルコール消毒剤や熱に対する抵抗力が高いウイルスです(「ノンエンベロープウイルス」といいます)。そのため予防策には、手洗い、うがい、マスク等の一般的な感染症対策が有効とされています。特に注意したいのは、タオルの共用。家庭内での感染事例も多くみられます。体調がよくないときは免疫力が低下していることも多いので、プールは避けましょう。 ・プールや温泉施設の利用前後にはシャワーを浴びる・帰宅時に石鹸・ハンドソープなどで丁寧に手を洗う・タオル等は共有せず、個別に使用する なお、昭和の時代には、プールの後に眼を洗う(「洗眼」といいます)ことが推奨されていましたが(小学校などでは、専用の蛇口が設けられていたケースも)、水道水による洗眼は保護層が洗い流され角膜が傷つきやすくなるとして、現在では推奨されていません。 プール熱の学校保健法上の取扱い 集団感染を防ぐ目的で制定された学校保健安全法施行規則では、第二種学校感染症(飛沫感染、接触感染により伝播され、学校内で流行を広げる可能性が高いものが分類されています。インフルエンザや麻疹などもこの分類)に位置付けられ、結膜炎やのどの炎症などの主要症状がなくなってから2日間は出席停止となっています。ただし、病状により伝染の恐れがないと医師が判断した場合には、登校することができます。 プール熱は、5歳以下の患者が6割を占めますが、大人でもかかることがありますので、家族など身近な子どもがかかったときには用心しましょう。大人がプール熱にかかった場合は、子どもとは異なり、仕事などを強制的に休まなければならないといった制限はありませんが、周囲へ感染可能性も考慮し、症状がなくなるまでは自宅で安静に過ごしましょう。 さいごに 今回は、子どもの三大夏風邪のひとつプール熱を取り上げました。 プール熱は、重症化するケースは稀とはいえ、感染力が強く、新生児にとっては大きな脅威となる感染症。日頃からの体調管理や基本的な感染症対策を徹底し、感染防止に努めたいものです。感染症対策について、ご不明な点などがございましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。(監修:防衛医科大学校 防衛医学研究センター 広域感染症学・制御研究部門 加來浩器先生) 参照URL 咽頭結膜熱とは(NIID 国立感染症研究所)咽頭結膜炎にきをつけよう!(神奈川県衛生研究所)アデノウイルス感染症とは(大阪健康安全基盤研究所) 「delfino施設まるごと抗菌」とは 感染症対策製品「delfino(デルフィーノ)」は、「感染ゼロをめざして」というコンセプトのもと、光触媒(酸化チタン)、抗菌触媒(銀)、三元触媒(プラチナ)などの触媒を組み合わせることで、それぞれの触媒反応が持つ効果を相乗的に発揮させながら、それぞれの弱点を補うという発想の抗ウイルス・抗菌・防臭剤です。 専用噴霧器によって、デルフィーノをμ(ミクロン)単位の粒子で噴霧、密閉空間に充満させていくことで、壁面だけでなく、カウンター、チェア、デスク、キャビネットなどのあらゆるものを抗ウイルス・抗菌コーティングして、施設内での感染リスクを軽減します。お問い合わせは以下のリンクから。 お問い合わせ
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2023.08.23コラム
乳児にご注意。RSウイルス感染症とは
2023年夏シーズン、子どもの間でいくつかの感染症が流行しています。 国立感染症研究所からの第29週の公表データによると、過去5年間の平均値と比較して上回っているのが、インフルエンザ、ヘルパンギーナ、咽頭結膜炎、RSウイルス感染症、急性出血性結膜炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の6つです。 定点把握の対象となる5類感染症(国立感染症研究所) 今回のコラムで取り上げるのは、乳児にとって大きな脅威となるケースもある、RSウイルス感染症。いつものように、感染症・疫学の権威である防衛医科大学校の加來先生に監修いただきながら、分かり易く整理して情報をお届けしていきたいと思います。 RSウイルス感染症は、2歳以上の人にとっては大きな脅威とはなりにくい感染症ですが、乳児にとってはまったく違います。ご自身や、周りの方々の安心・安全をまもるために、ぜひこの機会に正しい知識を身に付けてください。 RSウイルス感染症とは RSウイルス感染症とは、RSウイルス(Respiratory syncytial virus(レスピラトリー・シンシチアル・ウイルス)による急性呼吸器感染症をいいます。1956年に上気道炎症状を呈するチンパンジーから最初に発見された疾患で、発見当初は9月頃~冬~初春までが流行期と考えられていましたが、2021年以降、春から初夏にかけて継続した増加がみられ、夏にピークを迎えています。 電子顕微鏡でみるRSウイルス(Wikipedia PublicDomain) 感染すると、年齢を問わず風邪などの症状を引き起こしますが、乳児期(なかでも生後1歳まで)の発症例が多く、母体からの移行抗体をもつ生後数週から6か月未満の間にもっとも重症な症状を引き起こします。低出生体重児(2,500グラム未満)や、心肺系に基礎疾患があったり、免疫不全のある場合には、さらに重症化リスクが高まることが知られています。 生後1歳までに50〜70%が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染します。2歳以上で感染した場合、軽い鼻風邪程度で済むことが多く、重症化リスクは軽減します。RSウイルスは、かぜのウイルスの一種なので、大人から子どもまで何回も感染するのも大きな特徴。年長児や大人に感染すると鼻の症状だけ引き起こすことも多いウイルスです。 高齢者の場合、RSウイルスが重症の下気道炎を引き起こす原因となることが知られ、特に介護施設内などでの集団発生が問題となる場合があります。 RSウイルス感染症の症状は RSウイルス感染症の特徴的な症状は、細気管支炎、肺炎です。 感染経路は、飛沫感染、接触感染です。感染者の咳・鼻水を浴びることや、それらに直接触れることで感染します。感染後、4〜5日の潜伏期を経て、咳、鼻水、発熱などが症状として現れます。発症後、10〜14日間ほどでウイルスは排出されますが、1か月程かかる場合も。 「呼吸が苦しそう」「食事や水分摂取ができない」などの場合には、医療機関への受診を検討してみてください。特に前者の症状では、RSウイルスによって肺炎、気管支炎、細気管支炎などが引き起こされている可能性があります。場合によっては酸素投与、点滴などの処置が必要であり、入院し経過観察が必要な場合もあります。 生後3か月未満の乳児では、これらの症状の代わりに、哺乳不良、活気不良、無呼吸発作、チアノーゼ(皮膚の色が紫色になる状態)などの症状が現れるケースもあります。特に、無呼吸発作は命にかかわる重篤な症状なので、要注意です。 RSウイルス感染症の疑いがあったときは 病院で行なうRSウイルス感染症の検査は、鼻腔に専用の綿棒を挿入して鼻粘膜をぬぐい検体を採取、15分程度で診断することができます。しかし、生後間もない(1~2か月程度)乳児でRSウイルス感染症が疑われる場合には、経過中に無呼吸発作などの症状が現れるリスクもあるため、重症化する経過を予想し、入院するケースもあります。 RSウイルスには、有効な抗ウイルス剤がないため、症状に合わせた対症療法が一般的です。去痰薬、解熱薬、理学療法(痰を出しやすくしたりする体位を取らせたり、吸入をしたりするもの)など、罹患者自身の免疫力により回復を助ける薬を内服したり、吸入などの処置で呼吸状態を改善する処置が取られます。重症化した場合には、酸素投与、補液(点滴)、呼吸管理が行なわれます。 ※重症化リスクの高い在胎36週未満の早産の乳児、および慢性肺疾患や先天性心疾患をお持ちの乳幼児を対象に、重症化抑制薬(抗RSウイルスモノクローナル抗体:商品名シナジス)を予防投与することが認められています。 RSウイルス感染症へ予防対策は、日常の手洗い、うがい、マスク着用です。また、子どもが日常的に触れる玩具などをこまめに消毒するのも大切です。 さいごに RSウイルスは、乳児以外では重症化リスクが高くはないために軽視されがちです。しかし、症状が重くないからといって、自分自身がキャリアとなって乳児にうつしてしまう可能性も。特にご家族など近い距離に乳児がいる場合には要注意です。 RSウイルス感染症は、ほかの感染症と同様、正しい知識を持ちリスクの程度を把握、ひとりひとりの意識によって感染拡大を防いでいきましょう。(監修:防衛医科大学校 防衛医学研究センター 広域感染症学・制御研究部門 加來浩器先生) 参照URL・RSウイルスとは(NIID 国立感染症研究所)・IDWR感染症週報(厚生労働省/国立感染症研究所) 「delfino施設まるごと抗菌」とは 感染症対策製品「delfino(デルフィーノ)」は、「感染ゼロをめざして」というコンセプトのもと、光触媒(酸化チタン)、抗菌触媒(銀)、三元触媒(プラチナ)などの触媒を組み合わせることで、それぞれの触媒反応が持つ効果を相乗的に発揮させながら、それぞれの弱点を補うという発想の抗ウイルス・抗菌・防臭剤です。 専用噴霧器によって、デルフィーノをμ(ミクロン)単位の粒子で噴霧、密閉空間に充満させていくことで、壁面だけでなく、カウンター、チェア、デスク、キャビネットなどのあらゆるものを抗ウイルス・抗菌コーティングして、施設内での感染リスクを軽減します。お問い合わせは以下のリンクから。 お問い合わせ
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2023.07.10コラム
2023年夏、猛威を奮うヘルパンギーナを紐解く
2023年5月8日より新型コロナウイルスのあつかいが「5類」に引き下げられ、コロナ禍で自粛されていた様々な活動がコロナ前の状況に戻りつつあるなか、子どもに流行し易い複数の感染症が例年よりも猛威を奮っています。 もともと夏季には、子どもを中心に「手足口病」、「ヘルパンギーナ」、「咽頭結膜炎(プール熱)」の「三大夏風邪」と呼ばれる感染症が例年流行しますが、国立感染症研究所の発表によると、2023年はそれらのなかでもヘルパンギーナが特に感染者数を拡大しているといいます。 今回のコラムでも、感染症の権威である防衛医科大学校の加來先生に監修いただきながら、分かり易く情報をお届けしたいと思います。 ヘルパンギーナは子どもを中心に流行するとはいえ、大人が罹患した場合に症状が重くなる可能性も。ご自身や、周りの方々の安心・安全をまもるために、ぜひ最後までお付き合いください。 ヘルパンギーナ 2023夏 夏季に子どもの間で流行する感染症はいくつかありますが、2023年夏シーズンでは、以下の5つの感染症が特に流行しています。 ・ヘルパンギーナ…高熱、のどの痛み、口内に口内炎のような水ぶくれなど ・RSウイルス感染症…主にせきからなるかぜ症状(重症化すると、細気管支炎や肺炎も) ・感染性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルスなど)…吐き気・おう吐、腹痛、発熱 ・咽頭結膜炎(プール熱)…発熱、のどの痛み、結膜炎など ・A群溶血性レンサ球菌咽頭炎…高熱、のどの赤み、イチゴ舌(免疫がないと発疹が全身に広がるケースも) これらのなかで、もっとも警戒すべき罹患者数なのが、ヘルパンギーナ。すでに大阪府では、府内における定点観測の結果、定点あたりの1週間(6月12日~6月18日)に報告された患者報告数が警報レベルを超えて、大きな流行になっていると発表されています。 ヘルパンギーナとは 画像引用:エンテロウイルス(東京都健康安全研究センター) 最初に、ヘルパンギーナとはどのような感染症なのかを整理していきます。 ヘルパンギーナ(Herpangina)の語源は、ドイツ語の「水疱(ヘルペス)」と「喉の炎症(アンギーナ)」から成ります。夏かぜの代表的疾患で、乳幼児を中心に夏季に流行する急性のウイルス性咽頭炎です。発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹が特徴で、罹患者の年齢は、5歳以下が全体の90%以上を占めます。 日本国内では、例年5月頃より増加し始め、7月頃にかけてピークを形成、8月頃から減少を始め、9~10月にかけてほとんど見られなくなり、流行は例年西から東へと推移していきます。 ヘルパンギーナの流行規模は、ほぼ毎年同様の傾向を示していましたが、2023年にはだいぶ違った様相を呈しているのです。以下のグラフは、国立感染症研究所が開示している流行状況を示す定点観測データです。 ヘルパンギーナの流行状況(25週目データ)(国立感染症研究所) コロナ禍の真っ只中である2020年~2021年シーズンでは、新型コロナウイルス感染症予防のためのあらゆる措置が取られている影響もあり、他の感染症同様に例年より低い数値を示しています。しかし、コロナ禍前の2019年と、2023年の数値の差異を参照すると、その差は歴然(24週目の数値では、10倍以上の差異が見て取れます)。今シーズンの流行の大きさがよく分かります。 ヘルパンギーナの感染源の大多数は「エンテロウイルス属」に属するウイルスに起因します。エンテロウイルス属の宿主はヒトのみで、感染経路は、 ・飛沫感染…ヘルパンギーナ罹患者の咳、くしゃみなどに含まれるウイルス ・接触感染を含む糞口感染…水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、粘膜から感染 これらの2つです。急性期にもっともウイルスが排泄され感染力が強く、エンテロウイルスの特徴として、病状の回復後にも2~4週間と長期にわたって便からウイルスが検出されることがあるため注意が必要です。 ヘルパンギーナの症状 画像引用:Herpangina Virus(Wikipedia PublicDomain) ヘルパンギーナの潜伏期間は、3〜6日。39℃以上の熱が1〜3日つづくと同時に、のどが赤く腫れて、小さな水疱がたくさん出現します。水疱は2〜3日で破れ、黄色い潰瘍になります。 のどの痛みが強いのが大きな特徴なので、食事や飲みものの摂取が困難になることから、脱水症状を起こしたり、高熱から「熱性けいれん」を起こすこともあります(まれに、髄膜炎や心筋炎が生じることも)。発熱は2~4日程度で解熱し、そのあと粘膜疹も消失します。 ヘルパンギーナは、学校で予防すべき伝染病に含まれていません。 症状が回復してからもウイルスは長期にわたって排泄されることがあるため、急性期だけ登校・登園停止の措置をとったとしても、感染拡大抑止効果があまり期待できないためです。 ヘルパンギーナの予防・治療方法は 残念ながら、ヘルパンギーナには予防接種や特効薬がありません。 予防策は、せっけんを用いた手洗いの徹底、うがい、空気の入れ替えが効果的です。周囲に咳やくしゃみをする人がいる場合には、「うつさない・うつらない」ためのマスクの着用も効果的です。なお、ヘルパンギーナや咽頭結膜熱、感染性胃腸炎のウイルスは、アルコール消毒が効きません。 対処療法として、口内炎の痛みを鎮痛解熱薬で和らげたり、粘膜保護剤の軟膏などが処方されることがあります。脱水症状の治療が必要な場合もあります。 飲食については、のどに痛みがあるので、柑橘系のジュースや熱いスープなどの刺激はできるだけ避けます。飲み物は牛乳や麦茶など、スープは冷たいスープが理想的です。食べ物も、のどに対する刺激のなるべく少ないものを意識してください。 さいごに 今夏は、コロナ禍のさまざまな制約から解放された、久しぶりの夏休みが訪れます。昨年よりも、楽しみにしているお子さんが多いに違いありません。 ヘルパンギーナには、予防接種も特効薬もありません。感染抑止に重要なのは、日頃から手洗いやうがいなどの感染予防の取り組みと、感染状況に関するアンテナを高くすることです。これは、周囲のコミュニティのなかでの流行状況だけでなく、身近な家族内の互いの体調の変化を察知することです。 新型コロナで学んだ教訓を生かしながら、存分に夏を満喫し、良い思い出のたくさんできる夏をお過ごしください! (監修:防衛医科大学校 防衛医学研究センター 広域感染症学・制御研究部門 加來浩器先生) 参照URL ・エンテロウイルス(東京都健康安全研究センター) ・ヘルパンギーナの流行状況(国立感染症研究所) delfino施設まるごと抗菌 感染症対策製品「delfino(デルフィーノ)」は、「感染ゼロをめざして」というコンセプトのもと、光触媒(酸化チタン)、抗菌触媒(銀)、三元触媒(プラチナ)などの触媒を組み合わせることで、それぞれの触媒反応が持つ効果を相乗的に発揮させながら、それぞれの弱点を補うという発想の抗ウイルス・抗菌・防臭剤です。 専用噴霧器によって、デルフィーノをμ(ミクロン)単位の粒子で噴霧、密閉空間に充満させていくことで、壁面だけでなく、カウンター、チェア、デスク、キャビネットなどのあらゆるものを抗ウイルス・抗菌コーティングして、施設内での感染リスクを軽減します。お問い合わせは以下のリンクから。 お問い合わせ
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2023.05.24コラム
新型コロナ 感染症法の類型「5類」へ
2020年の新型コロナウイルスの発生から3年余りが経ち、ようやく世の中が本格的に通常モードへと戻ってきました。街にはマスクを外した人や、外国人の姿も多く見かけるようになりました。政府方針は、2023年1月27日の新型コロナウイルス感染症対策本部において感染症法の位置付けの変更が正式に発表され、感染法上の分類を2023年5月8日から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられました。このことは、新型コロナウイルスの変異の影響も大きいと思われますが、 ワクチンが開発され感染しても重症化率が減少した簡便に検査で早期発見を行えるようになった三密を避けることが感染リスクの軽減につながることの理解が深まった これらのことにより、経済活動を優先させる時期が到来したと政府が判断を下したと捉えることができます。この「5類」移行により、感染者の自粛期間や大規模イベント開催、医療費の負担、マスク着用や医療機関への受診など、これまでと大きく変わります。それでは、具体的にどのように変わるのかについて、今号も防衛医科大学校の加來先生に監修いただきながらお伝えしていきたいと思います。 感染症法の類型とは 感染症法上の「類型」とは、感染症を予防し地域での流行を抑えていくだけでなく、患者さんに対して適切な医療を提供していくために、感染の広がりやすさや症状の重症度など危険度に応じて、疾病を5段階に分類したものを指します。もっとも感染性と重篤度が高い1類を筆頭に、1~5類までの5段階と、既知の病原体によるものとして新型インフルエンザ等感染症と指定感染症が、未知の病原体によるものとして新感染症に分類されています。これらの類型に応じて法律で可能な措置も変わります。 クリックで拡大できます 類型「2類相当」から「5類」への移行 新型コロナウイルス感染症は、発生当初は指定感染症(2類感染症相当)に、その後は新型インフルエンザ等感染症(2類感染症)といった具合に、いずれも2類感染症相当と分類されていました。したがって、無症状の感染者も含めて、感染者に対する入院勧告や就業制限、外出自粛要請、健康状態の報告などを求める措置が可能となっていたのです。そして、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づき、政府や都道府県に新型コロナウイルス感染症対策本部が設置されました。そして、数回に渡って緊急事態宣言の発出や、まん延防止等重点措置が取られ、飲食店への休業、営業時間の短縮要請などが出されました。今回の5類への引き下げにともない、政府や都道府県の対策本部は廃止、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」も廃止になりました。感染者への入院勧告や濃厚接触者の外出制限、飲食店に対する時短営業要請や水際対策も原則的に無くなるなど、法律に基づいて政府や都道府県などが取る措置も変わりました。 新型インフルエンザ等感染症(2類相当)と5類感染症の主な違い(厚生労働省資料より)クリックで拡大できます 一方で、医療体制に関する政府方針は、段階的に移行させるとしています。将来的には、自治体の指定を受けた「発熱外来」のある医療機関だけではなく、季節性インフルエンザなど他の5類感染症と同じようにどの医療機関でも診療できるようになります(ただし、各医療機関の判断に委ねられます)。受診時の医療負担は1~3割の自己負担が生じます。ワクチン接種については、令和5年度中は全額公費負担で接種可能ですが、将来的には自己負担が生じる見通しと報じられていますのでご注意ください。 個人や事業者はどうするべき? 感染症対策は政府や自治体のみが一律に対応を求め実施させるのではなく、個人や事業者みずからがその意義を理解して、より効率的で効果的な感染対策を取り組んでいくかが重要です。個人や事業者それぞれの判断に委ねられたときこそ、基本的な感染症対策である手洗いの徹底や、混雑した電車内などでのマスクの着用など、この3年半の経験から学んだ教訓を忘れずに、冷静な行動を選択していただきたいと思います。(監修:防衛医科大学校 防衛医学研究センター 広域感染症学・制御研究部門 加來浩器先生) 「delfino施設まるごと抗菌」とは 感染症対策製品「delfino(デルフィーノ)」は、「感染ゼロをめざして」というコンセプトのもと、光触媒(酸化チタン)、抗菌触媒(銀)、三元触媒(プラチナ)などの触媒を組み合わせることで、それぞれの触媒反応が持つ効果を相乗的に発揮させながら、それぞれの弱点を補うという発想の抗ウイルス・抗菌・防臭剤です。専用噴霧器によって、デルフィーノをμ(ミクロン)単位の粒子で噴霧、密閉空間に充満させていくことで、壁面だけでなく、カウンター、チェア、デスク、キャビネットなどのあらゆるものを抗ウイルス・抗菌コーティングして、施設内での感染リスクを軽減します。お問い合わせは以下のリンクから。 お問い合わせ 参照URL 論点毎の考え方(厚生労働省)新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について
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2023.02.13コラム
感染症の成立する三要素とは
新型コロナウイルスに関する諸々の規制が、徐々に緩和されつつあります。療養解除基準の緩和や、屋外でのマスク着用の原則不要化、イベントの開催制限も一定条件下で収容人数の100%の入場ができるように。2023年5月8日には、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針が決定されました。新型コロナウイルスは、国内死亡者数は少ないものの、伝播力はまだまだ健在。そして、どこまで変異していくのかはまだまだ未知数です。そういった状況下で、自分自身や周りの大切なヒトを守るためには、より一層の自助努力・自己防衛が求められます。 感染症が「ウイルスや細菌が身体に侵入して悪さをすることで引き起こされる」ということは、もはや周知の事実ですが、それらが身体に侵入する手順や、感染症が引き起こされる条件について、正しく理解できているでしょうか。今回は、感染症成立の三要素と、その予防策について、防衛医科大学校の加來先生にご指南いただきながら、丁寧に紐解いていきたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。 感染症の成立する三要素 ヒトをはじめとした動物は、太古より微生物とともに生きてきました。ヒトの体内のあらゆる器官には、何億、何兆という微生物の存在によって、健康状態が保たれています(この体内の微生物を「常在微生物(常在菌)」といいます)。もちろん、水や空気などの自然界にも、微生物が存在しています。一方、何らかの手段によってヒトの体内に侵入し、病気を引き起こす微生物を「病原微生物(=病原体)」といいます。その病原体が、体内で増殖するのが「感染」。身体のある部分が痛んだり、腫れたり、発熱したりと、何らかの症状をある状態を「感染症」と呼びます。現在は、テクノロジーの発達によって感染症は病原体によって引き起こされる疾患であり、治療できるものと分かってきていますが、以前は大きく事情が異なっていました。感染症は、「突然発病する」、「一気に感染拡大する」などの特徴から、「天罰だ」、「悪い血筋に起因している」などと考えられ、誹謗中傷、差別や偏見を生みました。世界中で、感染者本人やそのご家族などを精神的にも追い詰めてしまった悲しい事例は枚挙に暇がありません。また、差別や偏見によって、感染したことを言い出しにくい雰囲気は、感染者本人の重症化・蔓延に繋がるだけでなく、感染症の実態把握の大きな妨げになり、感染拡大を加速させます。感染症は、正しく情報を把握して、正しく恐れなければならないのです。感染症を理解するためには、次の三要素に分けて考えると正しく理解することができます。① 病原体の特徴(感染源)② さまざまな感染経路③ 多様な免疫状態の宿主(感染先)それでは、ひとつひとつ整理していきましょう。① 病原体の特徴 最初に、感染症を引き起こす病原体について整理します。病原体には、細菌、ウイルス、真菌、リケッチア、寄生虫などがあります。これらは、水や土壌などの環境中、哺乳動物・昆虫に存在することがありますが、感染者の排泄物・分泌物にも存在します。これらの病原微生物の特徴について、表1にまとめました。 表をクリックで拡大できます 感染源対策は、感染源の撲滅。感染源の消毒・除去(汚物処理、適切な消毒と環境整備、空気清浄機、換気など)のほか、患者の咳エチケット(マスクの着用や、咳やくしゃみをするときに手や衣類で覆うなど)、感染患者の個室管理などがあります。感染患者の早期発見・早期治療も広い意味での感染源対策といえます。② さまざまな感染経路 次に、感染経路について。感染症は、病原体が何らかの手段・ルートを辿ってヒトの身体に侵入することで引き起こされる疾患です。この手段・ルートのことを「感染経路」といいます。病原体は、感染経路を通じて広がっていきますが、その広がりかたは「垂直感染」と「水平感染」の2つに分けることができます。 ・垂直感染:母親から子に垂直に直接的に感染するもので、妊娠中の胎盤感染、出産時の産道感染、出生後の母乳感染が含まれます(「母子感染」とも)。・水平感染:ヒトや動物などで、同種の親子関係にない個体間、あるいは異種個体間で感染すること。接触感染、飛沫感染、空気感染、媒介物感染の4つに分類することができます。それぞれの特徴は、以下の表2のとおり。 表をクリックで拡大できます 接触感染には、ヒトや動物、土壌や水との直接的・間接的な接触によるものや、性感染症も含まれます。そのほか、針刺し・切創事故や、汚染された点滴や輸血によるもの等の医療行為に関連する「医原性感染」と呼ばれるものも。感染経路対策は、病原体が判明している場合は、その病原体の特徴に応じた対策(飛沫感染防止策、空気感染防止策、接触感染防止策)を随時検討しましょう。そのほか、衛生動物や害虫の駆除、有事の際には安全な飲料水・食品の確保が重要です。③ 多様な免疫状態の宿主 ウイルスなどの病原体にさらされることを「曝露(ばくろ)」といいます。病原体に曝露されたとき、感染しやすいかどうかは過去の感染の既往やワクチン接種歴、そのときの免疫状態によっても異なります。感染する人のことを「感受性宿主」といいます。体力自慢の健康なヒトであっても、ある病原体に初めて曝露されると、感染が成立し発病に至ることがあります。また、妊娠中のヒトの免疫力が低下するのは、胎児を異物とみなして排除しないようにするため。胎児は、胎盤を通じて母親からの免疫の移行を受け、その免疫によって守られています。乳幼児は、1歳までに母親からの移行免疫が切れ、自らの免疫が作動し始める不安定な時期です(麻疹ワクチンを1歳経過後に接種するのはそのためです)。高齢者は、長い年月のなかで感染症の罹患歴を多数有し、免疫力が高いケースも多いですが、基礎疾患などによって免疫機能が低下、感染し易い状態になっている場合があります(このようなケースを「易感染性宿主」といいます)。宿主対策としては、自然免疫力の低下を防ぐため、十分な栄養、睡眠、休養をとること大切。また、ワクチン接種や予防薬の内服なども有効な手段です。 エアロゾル感染・サージカルマスクについて 「新型コロナウイルス対策として、『エアロゾル感染』に注意しなければならない」という表現を聞いたことはありませんか。この表現について、東京大学保健センターの発信を引用してご紹介します。 エアロゾルとは、気体中に液体ないしは固体の微粒子が広がった状態を指していて、ほこりや花粉、霧などが含まれます。微粒子の大きさは数nmから100μm程度まで様々です。エアロゾル感染というのは、このような空気中をただよう微粒子内に病原体が含まれていて、この微粒子を介して感染することを指しており、感染経路として「飛沫感染」と「飛沫核感染」を包含している用語です。この2つの感染経路は、名前は似ていますが、対策方法が大きく異なります。なお、「エアロゾル感染」という言葉は文脈により飛沫感染のことしか指していない場合や飛沫核感染のことを指しているもあり、解釈には注意が必要です。(引用:東京大学保健センター) このように、エアロゾルは曖昧。新型コロナウイルスのような、全貌が掴めていないウイルスの説明時に用いられる傾向にありそうです。対策は、飛沫感染対策と飛沫核感染対策で大きく異なるため、正しい状況把握が必要というわけですね。 また、サージカルマスクについても少し解説しておきます。「サージカル(surgical)」の意味は、「外科的」、「手術の」などの意味。不織布製のものが多く、一般的な家庭用よりもフィルターの目が細かいとされますが、じつは日本国内では細かい定義はありません(欧米では一定の基準がある国も)。マスクは、自分自身が感染しないためではなく、他者に対してウイルスをまき散らさないために装着するものという考えが広く知られるようになりましたが、サージカルマスクは、飛沫感染防止のために効果的といえます。行政の推奨によらずとも、状況に応じて着用を検討してみてください。なお、結核など空気感染の可能性がある感染者を対応する場合には、よりフィルターの目が細かい「N95マスク」などを着用します。定義はかなり専門的になるため割愛しますが、フィルターの目が細かいため呼吸がしにくく、日常使いには不向きと言えそうです。 おわりに 今回は、感染症成立の三要素について整理してきました。さいごに、それらをカンタンにまとめた表を掲載しておきますのでおさらいしましょう。 表をクリックで拡大できます 以上のように、感染症対策は、感染源対策、感染経路対策、宿主対策の3つのうち、できるところを確実に実施していくことが大変重要です。ご参考になれば幸いです。デルフィーノケア社では、感染症対策に関する様々なソリューションを展開しています。感染症予防策のご提案や感染症相談窓口のご提供も行なっていますので、どうぞお気軽にご相談ください。 皆さんの日常が、感染症の脅威に晒されませんように。(監修:防衛医科大学校 防衛医学研究センター 広域感染症学・制御研究部門 加來浩器先生) 参照URL ・屋外・屋内/子どものマスクの着用について(厚生労働省)・感染の方法(東京大学保健センター)
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