あなたのまわりにも!?
患者数増!インフルエンザ流行、感染ピークは年末に??

 

 

 例年11月~12月ごろに流行が始まり、年が明けて1月からピークを迎える冬の感染症のイメージが強いインフルエンザ。

 しかしながら、今年は9月から流行の拡大が始まり、厚生9月時点での労働省の発表(9/22発表)では、東京都を含む7つの自治体で注意報レベルに達しているとの発表がありました。東京都においては1999年の統計開始以来、最も早い9月21日にインフルエンザの注意報が出ています。

 

 

 今回も、感染症・疫学の権威である防衛医科大学校の加來先生に監修いただき、季節性インフルエンザの特徴や注意点などを分かり易く整理しながら、インフルエンザの基礎情報をお届けしていきたいと思います。最後までお付き合いください。

 

 

インフルエンザを知ろう

インフルエンザとは

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる「急性呼吸器感染症(急な発熱を伴う風邪のような症状が出る感染症)」で、インフルエンザウイルスが喉、気管支、肺で感染し、増殖することにより症状があらわれます。

 

インフルエンザはどうやってうつる?(感染経路)

 インフルエンザの感染経路は主に2つあります。

 

 インフルエンザは、ウイルスが手に付着しただけで感染することはありません。ウイルスが付着した手で、口や鼻、目などの粘膜を触れることで感染します。

 注1)「感染」とは、インフルエンザウイルスが標的となる細胞の中入ること。

 注2)「発症(発病)」とは、なんらかの症状が出ること。

    「感染」しても症状が出ないという場合もあります。これを「不顕性感染」といいます。

 

どんな症状がでるの?(主な症状)

 突然の発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、次に咳、鼻みず、咽頭痛などの上気道症状が続き、約1週間でおさまります。

 主な合併症として肺炎、脳症などがあります。

 

インフルエンザにかかったら

 インフルエンザウイルスは体内で感染後、増殖のスピードが速く、発熱(高熱)などの症状が急激に進みます。特にインフルエンザが流行している時期に発熱、咳、のどの痛み、倦怠感、頭痛、鼻みず・鼻づまりなどの症状が出たときは、早めに医療機関での受診を心掛けてください。

 持病がある方、重症化の可能性が高いといわれる方々は、なるべく早めに医師に相談するようにしてください。

 

インフルエンザにかかった後の注意点

<療養中>

〔かかった人(本人)〕

・安静にして休養をとる。

・睡眠を十分にとる。

・水分補給をしっかりとする。

・周りに感染させないためにマスクを着用する。

・人ごみなどへの外出を控える

・学校や職場などは感染を拡大させる可能性があるため休むようにする。

〔同居している方や看病をしている方〕

・看護をしたあとは、手をこまめに洗う。

・小さいお子さんが療養している場合は、大人がしっかりと見守るようにする。

・持病がある方、妊娠している方は、可能な限りなるべく別の部屋で過ごす。

<回復後>

 熱が下がっても、インフルエンザの感染力は残っています。特に治療薬などにより急激な高熱が、すぐにすっと下がることがあります。完全に感染力がなくなる時期については個人差もあると言われていますが「体調は悪くないな」「もう治ったかな」「元気だし仕事に(学校に)行けるかな」と思っていても、まだまだ他の人に感染させるウイルスを体内に持っている可能性があります。

 外出を控える日数などについては医師や医療機関にご相談ください。現在、学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」を出席停止期間と定めています。

 

インフルエンザにかからないために(予防/感染防止)

 

基本的な感染対策

 

 みなさんが2020年からCOVID-19として、しっかりと行ってきた3密(密集、密閉、緊密)を避けること、基本的な感染対策(飛沫感染対策、エアロゾル感染対策、接触感染対策)は、インフルエンザ対策に対してももちろん有効です。

 感染が大きく拡大している場合には、リスク(通勤電車の中、人込みの中など)に応じて適切なマスクの着用をお勧めします。

 マスク着用には2つの意味があります。

まずは、自らへの感染リスクを下げるためです。この場合のマスクの着用が効果的な場面としては、

 ・発熱や席をしている人のケアを行う時

 ・医療機関を受診する時、見舞いに行く時

 ・高齢者など重症化リスクの高い方を訪問する時

 ・インフルエンザの流行期に混雑した場所に行く時

もう一つは、自分が感染した場合に周辺へのウイルス拡散を防ぐためです。この場合としては、

 ・発熱、倦怠感などの症状がある場合

 ・鼻水、咳などの症状がある場合(この場合のマスク着用は「咳エチケット」の一環です。)

「咳エチケット」とは…

咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう。マスクを持っていない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。

鼻みず・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、 手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗いましょう。

咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。

 

予防接種

 インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。高齢者の方はインフレンザのあとに細菌性の肺炎を合併される方が多いですが、そのためには「肺炎球菌ワクチン」が有効です。65歳の方には定期接種となっていますので、ぜひ、こちらも注意してください。

 

 

 

さいごに

 新型コロナウイルスの流行以来、2021年、2022年は流行がありませんでしたが、今年(2023年)に入り季節性インフルエンザの流行がみられました。

 3月には一旦収束に向かいましたが、4月以降も患者数が確認され、例年なら流行していない6月~8月という夏の時期にも患者数の確認が続き、そして、9月に新学期を迎える学校などを中心に、さらに流行が拡大し、現在の流行に至っています。

 流行のピークの予想は難しいですが、年末から年始にかけてピークになるのではないかと言われています。年末年始は人の移動も多く、家族、親族、友人・知人など様々な人と会う機会も多くなります。そんな時期とピークが重なります。正しい知識と適切な対策をもって、楽しい年末年始を迎えられるよう今回「インフルエンザ」というテーマを取り上げました。

 

参照URL

・厚生労働省 令和5年度インフルエンザQ&A

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2023.html

・国立感染研究所 インフルエンザとは

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html

・一般社団法人日本感染症学会

提言 2022-2023年シーズンのインフルエンザ対策について(一般の方々へ)

https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=46

・一般社団法人日本感染症学会

ガイドライン2023/24シーズンにおけるインフルエンザワクチン等の接種に関する考え方

chromeextension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/influenza_vaccine_230925.pdf

・一般社団法人日本呼吸器学会 呼吸器の病気 インフルエンザ 

https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-02.html

・厚生労働省 インフルエンザの基礎知識

chromeextension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/file/dl/File01.pdf

・日本医師会 インフルエンザ総合対策

https://www.med.or.jp/doctor/kansen/influenza/005423.html

 

 

コラム月別記事一覧