海外渡航前に、6つの感染経路をブロック!

 

 

史上初の10連休となる2019年GW。平成が終わり、いよいよ令和時代の幕開け、皆さんはどのように過ごされますか。

JTBの旅行動向調査によると、今年のGWは、

 

・国内旅行者数 : 前年比 +1.1 %
・海外旅行者数 : 前年比 +6.9 %

 

このように、旅行を企画されているかたが大幅増のようです。しかも、このめったにない大型連休を利用して海外旅行を計画しているかたが特に多いようですね。ちなみに、渡航先の人気ランキングは以下のとおり。

 


順位   国     旅行者数(単位:千人)

1位  韓国         108
2位  中国        94
3位  ハワイ       66
4位  欧州        59
5位  台湾        55
6位  米国本土      51
7位  タイ        47
8位  香港        31
9位  グアム・サイパン  24
10位  シンガポール    19
11位  インドネシア    17
12位  オーストラリア   15
13位  マレーシア     10
14位  カナダ        9
15位  ニュージーランド   4
16位  南太平洋       2
17位  その他アジア    37
18位  その他(アフリカ・中近東・南米) 14

 

「ゴールデンウィーク(以下 GW)<4月25日~5月5日の11日間>に1泊以上の旅行(帰省含む)に出かける人」(JTBグループリリース)


 

しかし、楽しい旅の前には忘れてはいけないのは、感染症対策ですね。日本とは環境が異なる海外においては、注意しなければならない感染症も異なります。それでは、どのような対策をすればいいのでしょうか。

 

 

海外では6つの感染経路をブロック

 

海外旅行時は、主に6つの感染経路に注意が必要です。
渡航される前に、ぜひご一読ください。

 

海外旅行時に注意したい6つの感染源・経路の一覧表

 

旅先の感染症情報をチェック!

 

JTBグループの旅行動向調査をもとに、2019年GWに人気の海外旅行先別、感染経路別に注意すべき感染症をまとめました。

ご自身の渡航先についているマークをご確認ください。

 

人気渡航先の感染症リスクの一覧表

 

また、各感染症の潜伏期間と症状については、以下の表で確認いただくことができます。

 

感染経路別の感染症一覧

 

渡航先が一覧にない場合は、厚生労働省検疫所ホームページの「国・地域別感染症情報」に情報が掲載されている可能性が高いです。以下のリンクからご参照ください。

 


厚生労働省検疫所ホームページの「国・地域別感染症情報」


 

海外では「麻しん」にもご用心!

 

今年の2月の「あべのハルカス バレンタインフェア」での感染報告も記憶に新しいところ。予防接種の効果により、日本はWHOから「麻しん排除国」に認定されていますが、麻しんは海外では現在も脅威とされている感染症です。2016年には、なんと世界で89,760人が麻しんで死亡しています(WHO公表情報)。日本で流行する麻しんは、そのほとんどが海外で罹患し持ち込まれたものなのです。

麻しんの世界各国の流行状況は以下の通りです。

 


 アジア(西太平洋地域
…2016年の患者数57,654例に対し、2017年は9,329例と減少傾向。2014年に5万例以上の報告があった中国では、2016年に24,839例、2017年は5,755例にまで減少。その他、症例報告数の多い国はマレーシア(1,510例)、フィリピン(781例)、ベトナム(667例)。

 アジア(南、東南アジア)
2016年の患者数80,672例に対し、2017年は69,719例と減少傾向にあるものの、未だ大きな流行が発生。全体の80%がインドからの報告数。

 南北米州
…米国、 カナダ、アルゼンチン、 ベネズエラにおいて、2016年は92例だった患者数が、2017年は272例に上昇。感染者の60%は 5歳以下の小児、30%が6歳~15歳の若年層。

 欧州
…2016年の患者数5,275例に対し、2017年は16,006例と3倍に上昇。国別ではルーマニア(5,562例)、イタリア(5,006例)、ウクライナ(4,767例)、ギリシャ(967例)、ドイツ(927例)の順に多い。感染者の37%が6歳未満、45%が15歳以上、特に高い罹患率だったのは乳幼児。

その他の地域の麻しん流行状況は下記ページを参照ください。

 

国立感染症研究所 海外の麻疹の状況


 

感染力が非常に高く、且つあらゆる経路で感染する驚異の麻しんですが、あらかじめワクチン接種することで免疫を獲得するのが最大の予防策です。

渡航先で麻しんが疑われるような発熱や発疹の症状が出た場合、患者さんの本人はもちろん、同行者までが隔離させられることもあります。渡航者を計画しておられてる方は、ワクチン接種歴を是非確認していただき、未接種またはご不明な場合は、抗体検査にかかわらず接種されることをオススメします。

 

 

以上、今号では海外旅行で注意したい感染症についてレポートさせていただきました。

旅先での感染症対策を万全に、海外旅行を満喫してください。

よい旅を!

 

(監修:防衛医科大学校 防衛医学研究センター 広域感染症学・制御研究部門 加來浩器先生)

 

 

参照URL

 

「ゴールデンウィーク(以下 GW)<4月25日~5月5日の11日間>に1泊以上の旅行(帰省含む)に出かける人」(JTBグループ)

海外で健康に過ごすために(厚生労働省検疫所)

NIID国立感染症研究所

厚生労働省検疫所 「国・地域別情報」

「麻しんについて(厚生労働省)

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